絶滅危惧固有種ハマタマボウキの耐病性遺伝機構の解明と保全技術の開発

「ハマタマボウキ」は,世界で唯一我が国に自生するアスパラガス属固有種として知られており,絶滅危惧種に指定されている。この植物は,食用アスパラガスとの交雑が可能な事から有用遺伝資源として世界的に注目されているため,早急な保全対策が求められる。研究代表者らの先行研究では,ハマタマボウキに感染可能な複数種の植物病原菌類による新病害を記載している。また,研究代表者らの現地調査から,自然感染している発病株の... もっと見る »

廃棄物を活用した微生物由来の農業用資材の開発

 資源リサイクル化が進んでいない浄水汚泥と廃紙を有効活用するために、浄水汚泥に付加価値の高い微生物を付与・固定し、新たな農業用資材を開発することである。農業用資材の原料構成として、主効果を有用微生物、単体(吸着剤)を浄水汚泥、微生物の栄養源となる紙質廃棄物からなる世界初の高機能な農業資材の開発を実施してきた。福岡県の園芸資材製造メーカーと共同で土壌サプリメントを開発して,土壌サプリメントを添加した... もっと見る »

自家和合性をもつ四倍体ロコトトウガラシ優良品種の育成

ロコトトウガラシ(Capsicum pubescens)は南米アンデス地方で栽培されているトウガラシの一種で,完熟果実は鮮やかな赤色,オレンジ色または黄色,果形はピーマンに似ており辛味は強いが果肉の水分含量が多く,我が国でも新鮮果実での利用が期待できる新規な辛味トウガラシである.現在,世界各地で栽培されているトウガラシ類のほとんどは自家和合性だが,ロコトは例外的に強い自家不和合性を示す.しかし,染... もっと見る »

昆虫食に関する研究

熱帯アジアのラオスやタイでは、昆虫食が盛んであるが、その一環として糞虫食の習慣がある。なかでも大型糞虫類は、水牛の糞に依存しているが、水牛は乾季の水田などの雑草を食み、その場で糞をするが、その水田はコメを栽培する場としても存在している。これら一連の在り方は、水田や周辺環境と村落住民との間で里地生態系を形成しているといえる。一方国連機関のFAO は、環境問題・食糧問題の切り札として昆虫食を高く評価し... もっと見る »

地球温暖化問題における森林保全の在り方

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)での交渉過程において、REDDプラス(途上国の減少・劣化を抑止し温室効果ガス排出の削減)という新しい森林保全の概念が誕生した。REDDプラスでは、森林からの「炭素」という新たな価値が創出され、その取り扱いをめぐって先進国や途上国などの利害関係者がせめぎあいを行っている。これらREDDプラスにおける利害関係者の参画手法や利益分配に関する研究などを、東南アジアを中心... もっと見る »

違法伐採の排除への取り組み

途上国での違法伐採の蔓延に対して、欧・米・豪など先進各国では規制法で対策を打ち出し、日本に違法材流入の恐れが増している。そこで日本においても、クリーンウッド法など、違法材を排除した対策が実施され始めた。このような中、クリーンウッド法の制度と運用実態との乖離、木材を取り扱う民間企業による対策を実施するインセンティブ(CSR、ESG含む)とその実現可能性、そしてエンドユーザーである一般消費者の認識を検... もっと見る »

政治生態学の視点からの自然資源管理

熱帯諸国の自然資源は、「管理しようとする政府」、「利用しようとする企業」、「保全しようとする援助機関やNGO」、そして「日常的に自然資源を利用する地域住民」と、さまざまな利害関係者が異なる意図で自然資源にアプローチを行っている。それらの相互関係・パワーバランスにおいて、さまざまな調整や軋轢がある。これら事象に対して、政治生態学のアプローチを用いて検討・研究をおこなっている。具体的には、保護地域管理... もっと見る »

熱帯アジア産アリ類の多様性解明

概要:熱帯アジア地域のアリ類の分類や系統、生物地理、多様性について研究している。アリ類は陸上生態系において高いバイオマスを持つ重要な構成要素であるが、熱帯地域では学名未詳な種が多いために正確に多様性を把握できない状態である。その分類学的問題を解決するために、国内外での野外調査でサンプルを収集し、形態観察と分子生物学実験から種多様性の解明を行っている。また、森林伐採やプランテーション化、火入れによる... もっと見る »