熱帯ヤムイモにおける塊茎形成・肥大機構の解明とその栽培応用

 『ヤムイモ塊茎の   肥大・品質を司る“役者”を探る』 地下部と地上部に塊茎を形成して栄養生殖するというユニークな繁殖様式をとるヤムイモにおいて、塊茎肥大を司る主因子は何なのだろうか。これまでの研究から、「地下のイモは地上(葉)の環境」によって、また「地上のイモは地下(根)の環境」によって、形成と肥大が巧妙に制御されていることが明らかとなってきました。今後、これら地上部-地下部の連絡を介した塊茎... もっと見る »

葉毛はイネの生産性に寄与するのか?:葉毛性の付与による水利用効率の改良戦略

植物の葉・茎・子実等の器官には、しばしばトライコーム(毛状突起)がみられ、モデル植物を中心に研究が進んでいます。しかし、イネなどの主要作物種における研究蓄積は少なく、とりわけ、作物生産に関わる生理生態特性とトライコームの関係はほとんど不明でした。 これまでに、野生イネO. nivaraの葉毛性に着目して、栽培イネとの交雑後代から葉毛系統を選抜し、葉毛性に関わる単一の優性遺伝子BLANKET LEA... もっと見る »

AAゲノムの野生イネにおける光合成および乾物生産特性の窒素反応

イネ属の中でAAゲノムのグループは栽培イネ (アジアイネ、アフリカイネ) のほか、6種の近縁な野生イネを含んでいます。野生イネの中には、栽培イネが栽培化の過程で失った有用な形質をもつ系統が存在するため、これらは今後の品種改良に向けた育種材料として重要になるものと考えられます。当部門では、野生イネが通常施肥投入のない状態で自生している点に着目して研究を進め、同グループの中で窒素施肥を低減させたときの... もっと見る »

東南アジア・南アジア地域の地表水重金属汚染と影響の実態把握

バングラデシュやベトナムでは,1990年代頃より,顕著な地下水の重金属汚染が確認されています.特にヒ素汚染については深刻であり,村落住民が生活用水として利用する井戸水からヒ素が検出されており,このヒ素汚染水を長年引用することにより,重大な健康被害が多数確認されています. これらの地下水ヒ素汚染の要因としては,バングラデシュではヒマラヤ山脈の地下水からの流出,ベトナム紅河デルタでは地質年代が異なる地... もっと見る »

画像解析による閉鎖性水域アオコ発生現象の可視化・定量化

閉鎖性水域の富栄養化に伴う藍藻類の異常増殖現象に起因するアオコ現象は,景観,臭気,利水など様々な問題に影響を及ぼします.アオコを形成する藍藻類の動態については,光合成および呼吸のバランスにより能動的鉛直移動が可能なことや,早朝に表層に集積し日中に拡散することが報告されていますが,連続かつ長期的な観測および分析が困難なことから,気象変動等に対する長期的な応答特性については未解明な点が多いのが現状です... もっと見る »

熱帯塩水養殖池の水温異常現象のメカニズム解明と現象の応答としての水質異常・水産病害の実態把握

近年,環境負荷が高い集約型養殖から脱却し生態系復元を目指す動きとして,特に東南アジア諸国において,環境配慮型の粗放養殖に回帰する動きがあります.粗放養殖は,自然地形を利用して養殖池を構築し,周辺の河川水および潮汐流を利用して水管理を行い,水環境に含まれる生物を給餌する養殖手法です.この粗放養殖は,環境復元・改善効果が認められていますが,環境水理学的には,水環境異常を誘起しやすい養殖手法と考えられま... もっと見る »

鉢物用の低樹高性ジャカランダ品種の育成

ジャカランダ(Jacaranda mimosifolia)はアルゼンチン北部の乾燥した亜熱帯地域に自生する高木性の花木である.本種は初夏,青藤色の花を枝先に房状につけ,その美しさから世界三大花木のひとつとされる.ジャカランダは世界各地の温暖な地域で街路樹や庭園木として植えられているが,播種から開花までには10年以上を要し,しかも開花時には10mほどの樹高となるため鉢物としての利用はほとんど見られな... もっと見る »

廃棄古紙を利用した新規キノコ栽培の技術開発に関する研究

日本では、シイタケなどのキノコ類は、菌床培地と呼ばれる方法で生産されている。菌床培地は原料として、おが粉などの木質基材と小麦ふすまなどの栄養源などで構成されている。近年の健康志向や巣ごもり需要の高まりから、キノコ類の生産が増加とともにおが粉の消費量も増加している。おが粉の原料となる落葉広葉樹林は年々減少傾向にあるため、キノコの栽培に適したおが粉の供給不足を招く可能性が示唆される。さらに、菌床栽培後... もっと見る »