熱帯ヤムイモにおける塊茎形成・肥大機構の解明とその栽培応用

 『ヤムイモ塊茎の
   肥大・品質を司る“役者”を探る』

地下部と地上部に塊茎を形成して栄養生殖するというユニークな繁殖様式をとるヤムイモにおいて、塊茎肥大を司る主因子は何なのだろうか。これまでの研究から、「地下のイモは地上(葉)の環境」によって、また「地上のイモは地下(根)の環境」によって、形成と肥大が巧妙に制御されていることが明らかとなってきました。今後、これら地上部-地下部の連絡を介した塊茎形成・肥大メカニズムの解明を図ることで、栽培・育種への応用につながる基盤的知見の獲得を目指しています。
一方、ヤムイモには、ジオスゲニンをはじめ複数の健康増進物質が含まれることが明らかとなり、機能性食品としての利用が期待されています。現在、塊茎肥大ステージやポストハーベストにおける塊茎成分等の解析を行うことで、酸化的褐変機構の解明を進めています。
その他、機能性物質の蓄積に関して、品種間差異や高蓄積を可能とする栽培環境の探索に加え、放射線を用いたダイジョ突然変異系統の作出を行っており、高収量・高品質な有望系統の選抜と主要制御因子の同定を試みています。