熱帯諸国の自然資源は、「管理しようとする政府」、「利用しようとする企業」、「保全しようとする援助機関やNGO」、そして「日常的に自然資源を利用する地域住民」と、さまざまな利害関係者が異なる意図で自然資源にアプローチを行っている。それらの相互関係・パワーバランスにおいて、さまざまな調整や軋轢がある。これら事象に対して、政治生態学のアプローチを用いて検討・研究をおこなっている。具体的には、保護地域管理政策の運用、コミュニティ林業・少数民族共有地所有権による紛争の回避、土地・森林利用における地域住民と外部利害関係者とのせめぎあい、などである。